プライバシーの侵害だ

匿名劇壇という劇団を主宰する福谷圭祐のブログ。このブログは基本的に自分のためだけに使おうと思います。考えをまとめたり、情報を整理したり。ま、もちろん他人の目に触れることは意識して書くけれど。 でも、あまり読まれたくはない。だからタイトルは、 「プライバシーの侵害だ」 。

柔らかくなる魔法は一度きり

 

 

夏。

帰り道を歩く。涙が出る。

泣き止むまで、適当な場所に座る。

蚊にたくさん刺される。

かゆい、かゆい。

泣き止む。

かゆい、かゆい。

 

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もうすでに満腹の人たちに対してシメのウドンを押し付けてそれをおもてなしだなんてほざいた馬鹿を金属バットで殴り殺してやろう。オーイエー。選挙に行かねえあいつを見て日本の未来を憂いたくせに例のあの党に投票した馬鹿の缶コーヒーに青酸カリをぶち込んどいてやるぜ。アーハン。てめーの都合でおもてなし、てめーの都合の愛情表現、てめーの考えるてめーの社会、知ったこっちゃねえぜ。俺なりのホスピタリティ、やくざに貰った鉄砲ぶっ放す、心からてめーを想って額に向かってバキュンバドーン。お酌、お酌、あふれるレッドビールをグラスたっぷりで家族にクロネコヤマトだぜ。ハッピーかい?ハッピーだよな。俺のおつむは平和ボケ、幸せポッポの鳩ポッポ。ディスってくんなら受けて立つからてめーもここまで降りてきな。高みの見物指導教育ウンザリなんだぜ自称長く生きた人。俺より偉くて物知りな馬鹿に捧げる、セイ、お・も・て・な・し

 

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T君ってすっごいプライドが高いよね。なんかこう、基本的に人の意見とかって耳を貸さないタイプの人でしょ。いや、いいのいいの。それはそれで全然否定しないし、むしろ僕なんかはそうなれない人だから。でも、なんか、どうなんだろう、パフォーマンスとかアピールのつもりかもしれないけど、こうやって僕のところとかに意見を聞きにくるのって、どうしてなんだろう。いや全然いいし、その、僕の思ってることで良ければ言わせてもらうんだけど、たぶん、それがT君に影響を与えないことが予想できちゃうっていうか。単純に疑問。絶対自分のことすっごく信じてるし、とても強固に自分が完成されてる人だと思うから、逆にほんと僕なんかの意見なんて関係ないと思ってるでしょ?っていう。そんでそんなオーラをばりばり全身で放ったまま、パフォーマンスとかアピールに来られても、なんかもう、ごめん、どぎまぎしちゃう(笑)。ごめんね、ほんとに(笑)。ありがとう、来てくれて。

 

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頼むから私を放っておいてくれ、と私は思う。私は自分に自信があるのだ。私は、私を大いに肯定している。あなたとは、違う。私はあなたのように、誰かを否定しなければ自分を肯定できなかったことが一度もない。私は、たった一人で私を肯定できる。私に知識は必要ない。私にあらゆる知識がなくとも、私は私を肯定する。私にあらゆる趣味がなくとも、私は私を肯定する。私は誰かと関わらなくとも、私を肯定できる。私は自分に自信があるのだ。そんな私を捕まえて否定しなければ、自分に自信を持てないあなたがとても煩わしい。

 

私は不安にならない。自分に自信があるからだ。私は誰かを叱らない。私はとても強いから。私は私と同じ考えの人間を求めない。また、私と違う考えの人間を咎めない。私が私であることに、大いに自信があるからだ。私はとても強いから、私は何も求めないのだ。

 

そうではない人が、私を見て、不安になる。私があまりに強いから。自分に自信が持てなくなる。自分が間違っているのではないかと恐れる。だから、私が間違っていることにする。そして自分を正しいとする。頼むから、私を巻き込まないでくれ。私は何も言っていない。私はただ、私であるだけだ。同様に、あなたもただ、あなたであればいいではないか。

 

私は関わりを求めない。

 

そんな私が特別に強く、私以外の人間のほとんどが弱いということに気づくまでに、とても時間がかかってしまった。弱いことが普通であり、強いことが特別だった。私が、他の多くの人間とは違うから、私は否定されるのだ。私は言いたい。同じ弱さを求めるな。私はとにかく強いのだ。私は何もいらないのだ。私は、私にとって、正しく、強いのだ。

 

私を見て不安になるな。私を心配するふりをして、自身の心配をするな。私からすれば、私以外のこの世の全員が間違っていて、正しくないのだ。だけど私は恐れない。私はとても強いから、あなたたちの間違いに何一つ影響されない。大いに間違っているあなたたちを見ても、私は不安にならないから、何も言わないではないか。

 

弱き者たちよ。私を否定するな。私を肯定するな。私を守るな。私を愛すな。私に触るな。私に尋ねるな。私を誘うな。私を、除け。特別に強い私を、除け。

 

頼むから。二度とノックしないでくれ。

 

(43歳 無職・ひきこもり/自立さえすれば二度と関わらないと両親に告げられて15年)

 

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どうしても泣いてしまう

泣きたくないのに

泣いてしまうことが悲しくて

泣いてしまう

泣いてしまったことに

泣きたくなって

泣いてしまう

 

泣くなって言われて育ったし

言われなくても困った顔をされて育ったし

あたしが泣いたって

みんなが嫌な気持ちになるだけだし

そんなことわかっているのに

泣いてしまうから

泣きたくなる

そして泣く

 

誰にも見られないように泣く

せめて

でも、どうせ気づかれるから

気づかれて、言われるから

 

困った顔で

嫌な顔で

ひとりで悩まないでとか言われるから

どんなに隠しても

結局ばれるから

どっちにしたって同じ

 

だから泣かない方がいいって

わかっているのに

 

くそが

 

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ひとりでフェラチオをしようとしたとき

 

天使が現れて、こう言った

 

「願いを一つ叶えましょう」

 

僕は願った

 

「体を柔らかくしてください」

 

そして僕の体は柔らかくなり、

 

ひとりでフェラチオができるようになった

 

今思うと、

 

天使にフェラチオをしてもらえばよかったと、

 

思う

 

マジで

 

思う

 

(了)