プライバシーの侵害だ

匿名劇壇という劇団を主宰する福谷圭祐のブログ。このブログは基本的に自分のためだけに使おうと思います。考えをまとめたり、情報を整理したり。ま、もちろん他人の目に触れることは意識して書くけれど。 でも、あまり読まれたくはない。だからタイトルは、 「プライバシーの侵害だ」 。

「水の泡」について、ぜんぶ正直に書きます

お世話になっております。

 

Building303「水の泡」がいかに面白いか、を書きます。

 

タイトルはちょっと釣りです。ごめんなさい。

僕がこういう風に書いたら、ディスりを期待してアクセスしてくれるんじゃないかなと思って、ちょっと悪いことしちゃいました。

正直に書く、は嘘ではないので、どうかお許しを。

 

戯曲が面白い

 

「水の泡」はタカイさんの処女作です。作家にとって、処女作というものは重いものです。大学時代、たくさんの自主公演を観ました。多くは、それが作家の処女作でした。処女作というのは、ガチなんです。……どう表現しましょう。もちろん作家の性質にもよるでしょうが、多くの場合、処女作はガチだと思うのです。ここで言う「ガチ」とはなんぞや、と説明をしたいところですが、多くの意味をはらんでいて難しい。

そのまま「処女」として捉えて構わないような気もする。処女って、ガチじゃないですか。これも人に寄るでしょうが、だいたい、処女って「ガチ」でしょ?

……このニュアンスで問題ないのかな。変な説明になってますが、決してネガティブな意味ではないです。例えば、初めて口にする「愛してる」と、三十回目の「愛してる」のガチさの違いかな。口にするのも、耳にするのも、ガチさが変わるでしょ。というより、ガチさを客観視できるようになるでしょ。

無我夢中っていう意味のガチかな。うーん。うまく言えないけど。

 

でもね、「水の泡」、全然処女作っぽくないんです。不思議なことに。それって、タカイさんがすげー勉強するタイプの人だからだと思うんですよね。童貞のうちに、すっごいテクニックとか知識を詰め込んでくるタイプの人だと思うんですよね。

単純なことだけど、台本の書式とかも。

僕なんかが初めて書いたときは、もう段落とかグチョグチョだったり(今でも)、ト書きなのか台詞なのか分からん見た目になってたり(今でも)するんです。「紙の節約じゃい」とかほざいて、字を思い切り小さくしてギュウギュウに詰めたりして。ほんでスタッフさんに「普通の書式でください」とか言われて。「すみません」つって。

演出のときも調子こいて「じゃあ、ヒカリがハンカチを出すシーンから行きます!音照さんオッケーっすか!?いっきまァす!」とかキラキラほざいて、「あ、悪いけどページ数で言って」とか言われて。「すみません」つって。

 

ほんと単純なことだけど、ハナっからそういうのが整ってるっていう。

これは僕の思う、「処女作的ガチさ」とは対極なんですよね。とても、ちゃんとしてるんです。訳の分からないところが一つもない。大体「処女作的ガチさ」満載の処女作って、「いやもう難解過ぎるわ、そのシーン」みたいな、「ここで国王は自分の服を脱ぎ、丁寧に畳み、その後、破いて泣く」とかいう「ちょ、なに!?」みたいなシーンがあると思うんですけど、そういうのが無いんですよね。しかもこの国王は一言も台詞を発しないし、ずっと舞台上部に鎮座してるだけ、とかね。

 

例えばサリngさんの「僕のヘビ母さん」なんかは、処女作的ガチさ満載だと思うんですよ。すでに評価もされてるわけで、量産タイプの作家(? ちょっとこの表現はテキトー。読み流してください)になるルートもあっただろうに、処女的ガチさでちゃんと書くサリngさんってマジすげーし超おもしれーって思ってるんですけど。

 

そーゆーのを、すっごい確信を持ってぶち込むことが「処女作的ガチさ」だとして。

 

その愛すべき「処女作的ガチさ」溢れる表現が抑制された、処女作。

なかなか珍しい、面白い戯曲だと思います。「これが書きたくて書きたくてたまらんねん!!」が見えない。あると思うんだけど、それをぶりぶり綴ることの良くなさを知ってる、みたいな。好みで言うと逆だったりするんだけど、そこはご愛嬌。

 

とはいえ、ある種の豪快なところが無いわけでもない。そこを見つけると楽しいと思う。地味なんだけど、これを「普通の劇だね」とは言えないと思う。

普通の劇なんだけどね。気持ち悪いと思うよ、この感じ。

 

三好さんが面白い

 

で、Buildingにおいて、「ガチ」なのって三好さんなんですよ。タカイさんの本来の性質としては、「ガチをコントロールする人」なんです。うーんと、つまり、タカイさんは無我夢中系の人間ではないんです。知らないですけど。性質としてはそうだと思う。

 

対して三好さんは、もうホントすぐ命とかをかける。演劇との向き合い方とか話を聞いてても、三好さんはホント、「明日死んでもかまわないよう、今日を全力で生きる」タイプの人間。そういえばレモンキャンディのアフタートークで話したら、樋口ミユさんもそのタイプだった。

僕なんかは、「明日死ぬわけないから、明日を全力で生きるため、今日はもうパワプロをする」タイプの人間だから、(そして翌日も同じだから)、ほんと尊敬しかない。

 

「1000人に会いに行きます!」企画も、脱帽。

togetter.com

 

っていうかこれに関しては脱帽してる場合じゃなくて、もっと協力しなければならない。生来の引っ込み思案と、今月マジで忙しい、っていうことを言い訳にしているが、まずいまずい。単純計算で座組で割ると、一人140人くらいは会いに行かないといけない。多分今、僕、2人でフィニってる。さすがに2人でフィニったら千穐楽のあと体育館裏に呼び出されるかもしれん。(どこの?)

……もうちょっと頑張ろう。これで三好さんが過労で倒れたりなんかしたら、夢見が悪いわ。大塚さんも、東京から来て大阪で走り回っている。すげーなーと思う。なんでこの人たち、こんなに頑張れるんだろう。もはや演劇が好きとかいう次元ではないと思う。たぶん、キングコング西野さんとかロンブー田村さんが、もはやお笑いが好きとかいう次元じゃないのと同じだと思う。原動力が、「好き」とかじゃない、なんかもう、ヤバいやつ。

 

 

舞台演出がたぶんカッコイイ

 

役者にはまだ浅いレベルでしか想像できてないし、ネタバレ緘口令も出ているから、あんまり語れないんだけど。いわゆる小劇場ではなかなか見られない演出があります。うーん、と言っただけじゃあんまり意味ないしなー。

 

なんだろう、ドラマでしか見なかったり、現実でしか見なかったり、特別なときしか見なかったりするものが、舞台上で見られると思います。このあたりは僕も楽しみ。

 

あー、それでいうと、小劇場では多くの場合ガチじゃない「とあること」が、今回はガチです。なんの衒いもなくガチで、ここに処女作性は現れてたりするかも。

わけわかんなくてごめんね。

 

 

Building Hという、何か

 

これもどんなふうになるのかまだ想像できてないんですが、ちょっとしたお祭り的なことになるんだと思っています。この間、稽古場見学にバリスタさんやデザイナーさんが来てくださっていましたが、みんなヒゲを生やしていました。Building HのHはヒゲかと思いましたが、そこはやっぱり平成でした。

 

 

佐々木ヤス子と僕

 

このブログを読んでくださっている人は僕のことを知っていると思っていて、僕のことを知っている人は佐々木ヤス子のことを知っていると思っているんですけど。

僕と佐々木ヤス子が共演しているのは、ちょっと良いと思います。

この二人はこの座組の中でもかなり「演出の指示が入っていない方」なので、わりと自由に演技をしています。佐々木ヤス子さんは調子に乗って、台詞にないことまで言い出したので、そこは僕がタカイさんに代わって諫めておきました。でも、彼女は次もまた、台詞にないことを言っていました。

 

f:id:tokumeigekidan:20170623153453j:plain

 

先日発表された相関図で独立国家を築いていた佐々木ヤス子さん。正直な話をすると、僕は彼女の役の今回のオモシロなところを、「んー、ヤス子さんのこういうのは、おもろいけど、ぶっちゃけどうでもいいんだよなー」と思って眺めていたりします。

 

詳しくは是常さんブログ参照。

やっちゃん。|日々是常。

ameblo.jp

(すごく同意した)

 

そのヤス子さん的テクニックと遊びつつも、内在しているものが多いやり取りになるといいなと目論んでいます。彼女は今回、概ね僕と絡みます。なんとかこう、「あの二人、ふざけてたけど、実は一番演技で語れてなかった?」みたいな結果になると、主役二人を殺せるなと思っています。いい芝居ができる余地がある本なので、いい芝居がしたい。

 

でもなー!!正直苦しんではいるんだよねー!

「いやこの芝居じゃつまんねぇだろ…」っていうルートに行きがちだし。あ、これは僕限定の話ね。ぶっちゃけ、今は忌避しているタイプの、なんかこう、類型的な、類型的ってのも便宜上で、「いわゆる典型的」っていうか、なんていうの、この世に典型的な人なんていないじゃないですか?この世に類型的な人なんていないじゃないですか?その、こう、漠然としたイデアに依拠する演技になっちゃうのが、たまんなくつまんないんだよなー…。

「こんな人いそう」で「いない」より、「こんな人いなさそう」で「いる」がやりたい。(何気にサラッと名言出してもうた。こんなこと、誰か著名な作家言ってそう)

 

役を殺したくはないね。頑張ろう。

 

また書きますわ。

 

ぜひ観に来てください!!!

 

よろしくお願いいたします!!!

 

詳細はこちら!

Building303_水の泡

 

このブログを読んで予約しよっかなと思ったらこちら!

http://ticket.corich.jp/apply/82467/fuk/

 

(了)