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プライバシーの侵害だ

匿名劇壇という劇団を主宰する福谷圭祐のブログ。このブログは基本的に自分のためだけに使おうと思います。考えをまとめたり、情報を整理したり。ま、もちろん他人の目に触れることは意識して書くけれど。 でも、あまり読まれたくはない。だからタイトルは、 「プライバシーの侵害だ」 。

どんな話になるのかな

お世話になっております。

 

ところで、次回公演の構想を練っている。

今年一年、本当に未熟な作品を量産した。その度、自己嫌悪に陥って、大変だった。

「面白いと思っているお客さんもいるんだから、作品を否定するようなことは言わない方が良い」と言われればそれまでだし、最近は頻繁に僕の後頭部にある口がそう囁いてくるからこそ、僕はできるだけ前の口を噤もうと決意したのだけれど。

 

だけど、自分で判断して、自分がそう思ったんだから、意見くらい、許されていいんじゃないかと、甘えたい。だって、僕はそう思った。あなたが何と言おうと、僕はそう思った。だから、あなたも、僕が何と言おうと、そう思えばいいと思う。

それは互いを否定することじゃなくて、互いを迎え入れる準備なんだと思う。

 

「そんなこと言うな」「思っても言うな」「思うな」は、好きじゃない。

僕がどれだけ自分の作品や他人の作品を否定したとしても、あなたがその作品に触れて抱いた思いは、誰にも侵されない。僕の想いも、誰にも侵されない。

 

ただし、ビッグダディを見ればわかるように、「俺はこういう人間だ」は、たびたび「私はこういう人間よ」を聞き入れない言い訳にもなりかねない。

難しいね。

 

俺はこう、私はこう。

その上で、「どう」の話をしなくちゃねと、自戒すればするほど、ほら、無口になる。

 

##

 

とまあ、いずれにせよ、作劇について大いに不安を抱えていると劇団員に相談しつつ。

心配をかけないよう、次回公演がどんな話になるかを定期的にブログに書くと約束をした。

それで、構想ノートを書いている。

 

概ね、固まってきた。

 

物語は、落下する飛行船の中の話だ。

地面に落っこちてしまうまで、一週間くらいかかる話。

だから、上空約10億キロメートルから、落下している飛行船の話だ。

 

「終末の予定」のリライトがしたいと思って、作っている。

きっと、笑えるし、なんだかすごく、切ない話になる。

 

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A「おい、トランポリンを用意するんだよバカヤロー」

B「バカヤロー、なんでトランポリンなんだよ」

A「なんだよ」

B「トランポリンはポヨンポヨン跳ねるだろうが。跳ねてる間、お前、怖えだろうが。もっとお前、アルファゲル的なもんじゃねえとダメだろうが」

A「バカヤロー、アルファゲルは埋まるだろうが」

 

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C「もうイヤ。耐えられない。死んでやる」

D「どこ行くのよ」

C「飛び降りてやる」

D「いや、それ、窓の外で同時に落ちていくだけだから」

C「あたしの方が縦に、あたしが縦にこう、”気をつけ”して、シュッってしたら、空気抵抗がなくなって、シュッって落ちていけるでしょう!縦に!シュッって!」

D「なぜ、そんな」

 

##

 

E「だからな、お前な、魚がな、水の中にいるってことをいつまでも感じるか? 魚っつーのはな、ずっと水の中にいるだろ。だからな、いちいち「あー、今、水の中にいるなー」なんて思わねえんだよ。俺たちだって、そうだろ。こう、俺たちは今、空気中にいるよな。でも、そんなこといちいち思わねえだろ。「空気中にいますねー」「そうですねー」なんて、言わねえだろ。それと同じだよ。」

F「同じですかね」

E「今はもう、この落下してる状態が、普通の状態なわけだから」

 

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G「お前今、何周目?」

H「五周目」

G「……走馬灯って、最後まで見たら巻き戻るんだな」

H「今、だからさ、走馬灯の最後の方に、”俺が走馬灯を見てる”っていう走馬灯が収録されちゃってるもん」

G「じゃあ、この会話も、きっと次の走馬灯に?」

H「うん、きっと次の走馬灯で」

 

##

 

笑えるし、切ない話になる。

 

(了)