プライバシーの侵害だ

匿名劇壇という劇団を主宰する福谷圭祐のブログ。このブログは基本的に自分のためだけに使おうと思います。考えをまとめたり、情報を整理したり。ま、もちろん他人の目に触れることは意識して書くけれど。 でも、あまり読まれたくはない。だからタイトルは、 「プライバシーの侵害だ」 。

ポケモンGOは僕が作りました

「子どもたちを外に出すゲーム」、もともとはそんなゲームが作りたかったんです。トレードシステムを思いついたときは、「これだ」と思いましたね。画面に向かって孤独にプレイするのではなく、端末を持って「友だちに会いに行く」。これはゲームの枠を超えた、人生のアクティブな行動だと。胸が躍りました。これは世の中を変えるぞ、と。端末を持って家を飛び出し、「あーそぼ!」と声をかける。そしてまるでメンコやベイゴマのように、自分の道具を持って友だちを迎える。「よっちゃんのコマは良く回るね!僕のと交換してよ!」なんて。

 

だけど、実際に私が見た光景は違いました。団地やマンションの下でたむろする小中学生たち。みんな等しく画面に夢中で、申し訳程度に悪態をつくような会話。「友だちに会いに行く」ために行動はしますが、それは一瞬のこと。なぜなら、それは「ゲームのため」だったからなんです。「ゲームのために友だちに会いに行く」。私の理想とは少し違いました。私の望んでいた光景はこんなものだっただろうか。それから私は、何度も考えを巡らせました。こんなゲームがいいか、あんなゲームならどうか。そうしているうちに、はたと気づいたんです。

 

「私はゲームを作りたいのではない。友だちに会いにいく仕組みを作りたいのだ」

 

そう思ったとき、私の部屋にあるピカチュウのぬいぐるみがほほ笑んだような気がしました。そうです。このとき私はわかりました。「友だち」とは他でもない、「ポケモン」のことなのだと。それから私はあらゆるゲームシステムを排除して考えるようになりました。アクションもいらない、物語もいらない、「会いに行く」という行動だけがそこにあればいい。

 

そして開発したのがポケモンGOです。今子どもたちは「友だち」に会うために、「会う」ことだけを目的として、アクティブに外に出ています。走り回って、きらきらと笑って。

 

スマートフォンの画面に夢中で、そこにあるものには目もくれずに。

 

え? こんな光景を見たかったのかって?

 

……そんなわけねーだろ。

 

(了)